Ⅰ、歯周病

A、歯周病について

人間が歯を失う最大の原因は歯周病です。そしてこの歯周病を引き起こすのが歯周病菌です。 

マスコミでも報道されておりますように、歯周病の病原菌は単にお口の中にとどまらず全身にもさまざまな悪い影響をおよぼすことが明らかにされております。心臓病、高血圧、動脈硬化、糖尿病、痛風等の生活習慣病や、お年寄りの誤嚥性肺炎、さらには妊婦の早産、未熟児などとの強い関連も最近の研究で発表されております。歯周病は歯石・プラークなどのバイ菌のかたまりが原因です。この歯石、プラークは通常の歯磨きでは除去できないバイオフィルムという硬い膜を作り、そこから全身にばい菌毒素を放出します。これを放置していては、歯を支えている組織は健康を保てず、歯はグラグラし食物をよく咬むことができないばかりでなく、全身の健康を損なう原因ともなります。またこの歯周病は、食生活の変化により若年者にも多く見られています。一生健康で、また美味しく食事ができる快適な生活が送れるよう、歯科医院におけるプラークや歯石を除去する歯周病の予防や治療の重要性が強調されるのは当然のことです。

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痛みの出現で比較早期に自覚するむし歯とは違い、歯周病はかなり進行しなければ自覚症状が現れません。重症にならなければこれといった症状がありません。歯周ポケットが5㎜以上では完全に元のように治癒するのは難しくなります。痛みや排膿などの症状が出てしまうとかなり重症と言えます。
当院ではSMT、アドチェックさらに位相差顕微鏡を使って細菌検査も行っています。
 

B、歯周病の検査

①レントゲン検査

②一般検査(歯周ポケットの深さや出血、歯の動揺などの検査)

③SMT (唾液中の白血球やタンパク質の濃度により炎症の程度が数値化されます)

④アドチェック(歯周病菌の活動が活発であるかがわかります)

⑤位相差顕微鏡(お口の中の菌の種類や活動状況が画面に表れ、肉眼的に確認できます。

⑥オーラルクロマ(口臭精密検査)(歯周病による口臭の測定ができます)

  

C、予防処置、治療

①歯石除去
軽度の歯石ではハンドスケーラーで、また多量に強固に付着した歯石には超音波スケーラーで歯石除去を行います。
自分では磨けているつもりでも歯と歯の間や歯ブラシの届きにくい奥歯の裏側など、磨き残しやすい部位の歯石やプラークを丁寧に除去します。

②専門家による器械的な歯のクリーニング(PMTC)
歯科医師や歯科衛生士によるさまざまな器具を用いた歯と歯ぐきのクリーニング方法です。通常の歯石除去よりさらに深く拡大したバイオフィルムの除去を行います。この処置により歯ぐきの炎症が消退していきます。コーヒーや喫煙による汚れもなくなり、歯の表面はより白くなります。

③レーザー治療
上記の処置で炎症が引かない場合は半導体レーザーによる照射を行います。炎症部位にピンポイントで照射を行うことにより、より効率的な効果が望めますレーザーを照射する際、メチレンブルーやポリリン酸を応用すれば難治症例にも対処可能です。

④歯周外科手術
 歯周ポケットが6mm以上に深い場合や、症状が進行してしまった場合などは手術が必要となる場合があります。
この手術には、ポケット掻把手術、歯肉切除手術、歯肉剥離掻把手術など症状に応じて適用します。直接病巣を見ることができるので確実な処置ができますが、レーザーに比べて体の負担がやや大きくなります。

⑤薬物療法
これらの処置に加えて薬物の使用も効果的です。
当院では主に歯ぐきの局所にはIPMPなどの消毒薬やテトラサイクリン系の抗菌薬を、飲み薬ではマクロライド系またはメトロニダゾールの抗菌薬を使用します。

⑥ストレスや全身的な要因のある場合は適切なアドバイスができるよう努めています

治療期間は

治療期間は症状、症例によって異なりますが、歯周病単独の場合一般的には最初の月は1週間に1度、2か月目は2週間に1度、あとは月に一度のメンテナンスとなります。

歯周病は高血圧や糖尿病と一緒で完治ということはありません。なぜなら口の中の歯周病菌を完全に除菌することは不可能だからです。ですからメンテナンスが重要になります。

また歯周病以外に虫歯や入れ歯など他に治療がある場合は、その分治療期間は長くなる場合があります。